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病院でリハビリとして働いています。日常のことから趣味、医療や健康のことについて語っていきます

喫煙は肺がんのリスクと関係がない?

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喫煙の肺がんについて

昔から喫煙は肺がんのリスクを高めてしまうと信じられてきました。このことは、誰しもが一度は耳にしており、喫煙をやめさせる謳い文句にもなっています。実際、アメリカの研究においては、喫煙によって肺がんのリスクは非喫煙者と比べ、1.4~2.4倍も肺がんになりやすいとの結果があります。しかし、最近では100名の肺がん患者の内60名は非喫煙者という結果が出ており、喫煙と肺がんには必ずしも因果関係はないとされています。

「よし、肺がんにならないのであれば気にせず吸おう」と思っている愛煙家の方ちょっとお待ちを。喫煙と肺がんのリスクに関係性がないと言っても、他の健康被害のことを考えてみましょう。

喫煙のリスクについて

タバコには多くの有害物質が含まれており、その中でも発がん物質と肺がんに注目がいき、他の病気のリスクについてはあまり知られていないです。

タバコには主にニコチン・タール・一酸化炭素が含まれており、いずれも身体に悪影響を及ぼします。その中でもニコチンと一酸化炭素中毒は血管を傷つけ、動脈硬化のリスクを高めます。さらに喫煙により交感神経が活性化し血圧が10-20mmHgほど高まり、血管に余計な負荷を与える形になります。そのため、喫煙歴が長ければ長いほど、血管はもろくなり、そのうちに心臓の大きな血管や脳の細かな血管が破れ、突然死や重大な後遺症につながるリスクがあります。なので喫煙はしないことに越したことはないです。しかし、タバコは依存性が強くやめるのが一苦労です。近年では、コンビニに禁煙器具が売られているほど世の中は禁煙ブームにあります。最近ではセブンイレブンの灰皿が撤去されているところが見受けられます。どんどん愛煙家にとっては肩身の狭い世の中になってきています。

禁煙に関して

タバコが身体に染みついて、禁煙する意味がないと思っている方には朗報です。近年の研究では禁煙により全くタバコを吸わない人と同等の身体に戻れます。要は心不全脳卒中などのリスクが変わらないということです。しかし、禁煙してすぐに元の身体に戻るわけではありません。年数でいうと、男性で21年、女性で11年とされています。1日20本以上のヘビースモーカーも例外なくです。年数にするとものすごく長く感じますが、30代・40代のがんや心不全脳卒中発症率を考えても、決して長くはありません。要はやめられるかどうかの問題です。

禁煙するのは簡単な事ではありません。がしかし、今後の健康のことを考えたら、やめざるおえないです。吸っているときは至福の時ですが、禁煙できた先には、もっと素晴らしいことが待っています。