歩行介助をうまくなるためには
歩行介助がへたくそ
最近、臨床に出てそう思うことがふえてきました。特に若いリハビリスタッフに多く、介助どころか逆に患者様の歩行を邪魔しているように感じます。それでもって、思い通りに歩けないなどと言うもんですから困ったものです。
まず、少しでも触れている時点で外力になっていることはもちろんのこと、声掛けも外力になることを覚えていてほしいです。
介助がへたくそに見える原因
「この人歩行介助上手だな」と思うこともあれば、「この人はへたくそだな」と思うことも臨床ではあるかと思います。どこで判断しているかと言うと、介助者の姿勢にあります。介助のほとんどは、側方か後方からに分かれると思いますが、今回は後方介助でお話を進めていきます。
歩行介助がへたくそに見える原因それは先ほどもお話した通り、介助者の姿勢にあります。ほとんどの方は胸郭や腰部付近、骨盤に触れ介助するかと思います。しかし、まずは足元に注意を払いましょう。患者様のステップやリズムに合わせて介助者も同期するように歩きますが、歩幅・歩角・両踵間の広さも同じくらいの幅を意識し、介助することで見え方も変わりますし、なにより歩行介助が上手に見えます。
次に手の位置ですが、目的に応じて変えていきます。どこの代償を軽減させていか、もしくはどこの運動を促進させていくかで決めていきます。また、脇は必ず締めるようにしましょう。締めすぎてもだめですが、へたくそだなと思うほとんどの人は、介助の際、脇が開いている場合が多いです。
姿勢の大切さ
見え方が変わっても歩行介助がうまくなるわけではないのでは?と思うかもしれませんが、上記でも話している通り、触れている時点で外力になります。患者様との歩幅やリズムなどがズレた状態で介助すると、介助者のリズムや動揺が手を通して相手に伝わることになります。そのため、患者様の歩行が崩れる原因となり、上手く歩けない原因にもなります。なので、最低限患者様の歩行を邪魔するような介助は避けてほしいものです。介助にしろ訓練にしろ、転倒や疼痛誘発の原因にもなりますし、訓練に対するモチベーションも下げる場合もあります。まずは、相手の歩行とシンクロするつもりで介助してみてはいかがでしょうか?
おまけ
あと臨床でよく見かけるのは歩行の際、「1,2,1,2」と声に出して歩いている姿です。患者様が声に出して歩くのは構わないですが、介助者が「1,2,1,2」と声掛けて歩くのは余計だと思います。患者様はそれに合わせて歩くよう意識してしまいますが、その声掛けは必ずしも一定間隔ではありません。コンマ何秒かですがズレが生じます。そのため、歩行が乱れ、転倒リスクが上がるだけでなく、リズムの生成などは困難となり訓練の邪魔にしかなりません。
少しでも臨床の参考になれば幸いです。
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